こちら、放送局。

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『さて!24時になりましたー。 厳密に言えばもう土曜ですが もうそのツッコミはいりませんよ。 最初のお手紙は…こちら! P.Nプリン大好きさーん。 えっと、なになに? 「ピーマンが嫌いです。 どうしたら良いでしょうか」なるほど! ありがちですねー。解決策は…』 24時~27時までが金曜の 放送時間だ。 朝は近況報告と曲を 流すことが多いが、夜は 手紙を読むことが主である。 『次、P.N苦労性さんからの お手紙です。 「コンさんの声、大好きです」 ありがとうございまーす! そんな貴方が僕は好きですよ! 「…この頃やる事が多く休めません。 真夜中まで俺を支えてくれるのは コンさんの声だけです」 だいぶ参ってますね、苦労性さん。 大丈夫ですか?元気出して下さーい! ファイトですよー!』 名前からもう、哀愁漂う。 たぶん風紀か生徒会の人たちじゃ ないかなぁ。 …転校生が来たらしく 上部の人たちが忙しいらしい。 僕は見た事すらないけどね。 学年違うし。 そんな事を考えながら、また 次の手紙に僕はうつった。 ー…そんなある日。 その日は休みで天気も良かったから 僕は散歩に出かけた。 学園は広く、丁度良いんだ。 花壇の花が綺麗に咲いている。 そして、そこに置かれてるベンチに 四肢を投げ出して寝転んでいる 人を発見した。 「お、わ。」 風紀委員長様ではありませんか! メガネをしたまま寝ている。 あ…隈があるなぁ。 まさに苦労性だ。 あの手紙、この人だったりして。 起こさないように こしょこしょ話し掛けた。 「お疲れ様、風紀委員長。 頑張ってる貴方には きっと良いことありますよ。」 頭を少し撫でてあげる。 あーあ。 「コンじゃなきゃ、ダメですかね。」 『絶対、コン様は可愛いよね!』 『うん!癒し系!』 『あの声で不細工とか 興醒めだよな。』 そんな会話を思い出す。 やっぱり、夢見さしといた方が 良いんだろうな。 "苦労性" …うん、貴方にぴったり。 -
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