君とメガネ

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この頃、世間ではメガネフェチと いうものが流行ってるらしい。 メガネをかけた男性を こよなく愛すメガネフェチ。 しかし、だ。 メガネをかけているだけの奴に 簡単に俺は萌えはしない。 …想像してみろ。 メガネをかけた禁欲的な少年が ふとした瞬間にその境界だった メガネを外す瞬間。 もう隔たりはなく、生の瞳が こちらを向いている… あの隙が、あの隙が堪らない! さて、こんな山奥の学園にも そんな流行りは訪れた。 そんな伊達メガネは言語道断。 俺はもとからそんな奴らに 興味はない。 もう既に、俺好みのメガネくんは 居るからね! 「ね、委員長?」 「…は?」 うーん、その呆れた顔が なんとも堪らないんだなぁ。 「何でもないよ。 そういえば、委員長に 頼みたいことがあるんだ。」 「嫌だ。」 「…まだ何も言ってないよ。」 「何で俺がお前の頼み事を 聞かなくちゃいけないんだ。 そんな暇じゃないからな。」 プイ、と前に体を向き直して 彼は本を読み始めた。 俺の前の席のこの少年は なんともツレない。 -
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