君とメガネ

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「勉強を、さ。 教えて欲しいなぁ、なんて。」 「…お前、学年30位内には 入ってんだろ。」 「文系が苦手なんだもん。」 …あぁ、断られるかなぁ。 こういうの、面倒くさがりそう。 ギシ、と椅子が軋む音。 委員長がまたこちらを向いた。 「じゃあ代わりに、河野が 俺に数学教えるなら構わない。」 しょうがない、という顔。 それでも。 「~ッ!喜んで!!」 「おい、河野五月蠅い。」 隣から苦情がきたが気にしない。 利害がどうやら一致したらしく それから俺たちは 『ドキッ!秘密の放課後課外』 を始めることになりました。 パチパチパチ。 「…で、彼女のこの台詞。 どういう気持ちかって言うと…」 教科書を見ながら俺に 説明をしている委員長。 こんなにメガネが似合う人って いるんだなぁ。 可愛いな、綺麗だな。 メガネ外さないかなぁ。 「…聞いてるか?」 教科書から目線を上げた彼と 目が合った。 ギャッ! 「もう一回お願いシマス。」 …彼は深い深い溜息をついた。 -
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