片翼の僕ら2

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春休みは一週間とちょっと。 冬休みに家に帰ったばっかり だったから帰省せず ただ暇を持て余していた。 ー少し体を動かそうと 中庭を歩いていると、どこからか 泣き声が聞こえてくる。 なんだなんだと野次馬根性で 近寄ると、ベンチで誰かが うずくまっていた。 「あのー。」 取り敢えず、距離をとり 声をかけてみる。 …なんの反応もない。 ズンズンと近づく。 距離は約1m 「大丈夫ですかー?」 ビクッと彼の肩が揺れた。 …可愛い反応をしてくれる じゃないか。 「どうしたんですか。 良かったら、お話し聞きますよ。」 彼は少しだけ顔を上げた。 目が赤くなり、少し腫れている。 「…だれだ。」 「幸村です。貴方は?」 「まみや。」 「まみや…?」 どっかで聞いたこと ある気がするぞ。 そこで、ふとベンチに 眼鏡が置いてあるのを発見。 メガネで間宮。 あ、生徒会候補の! 「間宮祐希さんかっ! いやー随分印象が違うから わかんなかった。」 鉄仮面と呼ばれ メガネがトレードマークの いつもの彼とはかけ離れてた。 -
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