片翼の僕ら2

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「…え?」 「ランダムにね、月一回だけ 入れ替わってるんだよ。」 「まだ一回も気付かれてないね。」 僕達の密やかな遊び。 「そ、だぁれも気付かない。 寂しいもんだよ。」 碧が自虐するように笑った。 「僕は楽しいけどね。」 「俺ん時もうやった?!」 「三日前だな、三日前。」 「そうそう。」 「まじかよっ!全然分からん!」 「「イェーイ。」」 2人でハイタッチ。 あぁ…そういえば。 間宮さんも気付いてないのかぁ。 『寂しいもんだよ。』 確かに、そうかも。 ふむ…どうやら弟には 思い人がいるようだ。 誰だろうなぁ。 ーーーーーーーーー 翠side 「…お前、今日なんかいつもと違う。」 「そんなことないですよ?」 たらり、と冷や汗が流れた。 「雰囲気?オーラ? 違和感があるんだ…しっくりこん。」 「気のせいですよ、間宮様。」 今まで誰にもばれたことなかったのに まさか、初めての接触で? 何回かやってきた2人の遊戯。 そして今日、初めて俺は 間宮結城に碧として接していた。 「…本当に碧か?」 ジッと見つめられる。 「勿論ですよ。」 「ふぅん…碧は俺と2人っきりの時は ゆうきって呼ぶ。」 「えっ、うそ。」 おいおい聞いてないよ、お兄さん。 「そうだ、嘘だよ。」 ピキーン。 「…」 (だ、ま、さ、れ、た。) -
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