譲れない。2

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「間宮会長、今日機嫌悪くない?」 「また菅沢風紀委員長と喧嘩してたよ。」 生徒会を復活させるために新たに導入 された補佐2人がチラッ、と彼を 盗み見る。 彼は眉根を寄せて何やら考え込んでいた。 「…風紀の書類渡しには、会長が率先して 行きたがるのにね。」 「嫌いなら行かなきゃ良いのに。」 「「…ねぇ?」」 2人は顔見合わせ小首を傾げる。 そんな2人に会計が近寄った。 「君たちはどうして俺たちが生徒会に 戻ったのか知ってる?」 「いえ。」 1人がそう応えると、会計は珍しく 遠い目をして恐ろしいものを思い出した かのように体を震わせて言った。 「…鬼が来たからさ。」 彼の声は小さかったが、"鬼"という単語に 会長以外全員が目に見えて怯えていた。 結局、また2人は首を傾げる。 ーーーーーーー 「委員長…めっちゃ怖くない?」 「間宮会長とまた喧嘩してたからね。」 2年の風紀2人がヒソヒソと委員長を 横目で見ながら話していた。 「でも生徒会の立て直しの時の委員長は 圧巻だったよね!」 「すごい気迫だったもん。 あんな必死な委員長初めて見た。 生徒会役員の人たちを可哀想だって 思ったのも初めてだったけど。」 でもどうしてだろう、と2人は考える。 そこに副委員長が現れた。 「素直じゃないのさ。」 そう言っただけでま鼻歌を歌いながら 去っていく。 2人は顔を見合わせて首を傾げた。 -
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