譲れない。2

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「よぉ。」 「あぁ。」 …"仲が悪い"と世間で噂されるその2人が 廊下でばったり会ってしまった。 周りに生徒がいないのを無意識に確認する。 「お前のせいで溜まってんだよ。 早く俺にタチを譲れ。」 「…あの可愛い子とヤれば?」 ぷい、と不貞腐れたように間宮は 顔を背ける。 「あれは相談受けただけだ。」 「嘘つけ。」 信じようとしない間宮に 焦れた菅沢は、彼の腕を掴んだ。 「ヤれば分かる。行くぞ。」 「どこに。」 「俺の部屋に決まってんだろ。」 「…待てねぇよ。」 間宮の蠱惑的な笑みと色を含んだ低い声は 菅沢の腰にずくん、ときた。 近くにあった空き教室に雪崩れ込む。 教卓に間宮を押し倒した。 熱い視線で彼は菅沢を見上げる。 「なに、間宮が下になってくれるのか?」 「…なわけねぇだろ。 最初にイッた方が、今日はネコだ。 はい、スタート。」 間宮は隙をみてお互いの体を反転させ 菅沢を下にすると、ニヤリと笑った。 「てめ、ストップ!ストップ!」 「バカ言ってんじゃねぇ。 …大丈夫だ、ハニー。優しくする」 「いけない子だ、ハニー。 まだ勝負はついてないぞ。」 上にある間宮の柔らかい茶髪を指に巻いて 口付ける。自分の髪は黒く硬い髪質なので 彼の髪は心地良く感じた。 -
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