狼と犬って紙一重

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「観月、夕飯食べに行こうぜ! 馨がお前を誘いたいんだって。」 金髪が光る天使のような美少年が、観月の 部屋の前に立っていた。 この学園にやってきた転校生。 名前は"小宮山海斗"。 理事長と同じ苗字だから、たぶん親戚で 小宮山コーポレーションの御曹司。 何が言いたいかっていうと、質の悪い 金持ちだっていうこと。 (席が隣だっていう理由で、友達認定されて しまった僕。あぁ可哀想。) などと観月は嘆いた。 しかし、彼が観月のところに来たのは 馨という人物の言葉があったためらしい。 「…なんで馨君がぼくと一緒に夕食を とりたいんですか?」 「俺もわかんねぇ。観月と馨ってぜんぜん 接点ないし仲良くなさそうなのにな! ま、俺はすぐに仲良くなれたけどさぁ。」 あいつ一匹狼って有名らしいけど、俺が 友達になってやるんだと誇らし気に語る。 「小宮山くんは人に好かれるもんね。」 「まぁな!観月も俺のこと名前で呼んでも 良いんだぞ?友達なんだからな!」 …お前に人が寄って来るのは 所詮、お前のバックにある会社目当てだし 僕は君の友達じゃない、と微笑みながら 観月は心の中で悪態をつく。 -
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