僕のメシア

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彼は、僕はきっと俺の名前を言うだろうと 思っていたらしくひどく驚いた声で言う。 「な、なんで!?」 「何故って…僕ら親友だろう。」 「"那津"くんは、君の事を友達だとは 思ってないみたいだよ?」 「残念です。」 僕は肩を竦めてみせた。 「ち、違うっ!違うんだ! お、俺が親友を裏切るわけない! 穂春には手を出すな!」 必死に彼は弁解し、自分が犠牲に なると言う。 「もう遅いよ。」 僕たちを囲んでいたうちの2人が、鍵を 開けて扉に手をかけた。 ぞろぞろとがたいの良い生徒が いやらしい笑みを浮かべ入ってくる。 転校生は小さく震えていた。 「君たちの相手は残念ながら、横の平凡 くんだ。…ま、後は任せる。 友達を裏切る悪い子にもお仕置きは必要 だと思うけどね。」 意味深な笑い声を残して、華奢な生徒たち は出て行ってしまう。 「…ヤるんなら顔が 良い方に決まってる。」 「なぁ?ヤっちまおうぜ。」 そう、彼らは話し始める。 そして転校生の方へ近付いていく。 「や、やめろ!話が違う!」 転校生は意味もないのに足掻き始めた。 「…俺はこっちのがタイプだ。」 彼をぼーっと見ていると下卑みた笑みを 浮かべる一人が僕に近寄ってきた。 全員転校生のことに行ってくれれば 良かったのに、世界には物好きも いるもんだなぁ。 -
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