友人は謎と共に

3/5
前へ
/15ページ
次へ
上陸後、IDチェックを受け学園島教育区に移動荷物等を既に置いている寮の自室を確認すれば、二日後の入学式まで自由である 立ち入って良い区画は 教育区 商業区である 他の区画へ侵入した場合、成績に大きく影響するので注意してください その他、知りたい情報は学内ネットワークへ接続を…… どういう技術だろう 九条の目の前、丁度手の届く良い位地に白の半透明のウインドウが浮かんでいる 上陸し、IDチェックがすんでから首輪にネットワーク接続機能が追加された あくまで学内だが、十分な程情報は手に入る 若者の娯楽は掲示板のようで 【早乙女吏人は】最高理事長写真スレ【俺の嫁】 開発区侵入スレPart3 研究区に行った友人が帰ってこないのだが ちょwwwww今季の新入生ザコ過ぎwwwwwww能力測定順位上がりまくりwwww 「…………」 割と島の外と変わらないのかもしれない こういうスレは嫌いじゃないが、時間潰しに何時間も見るものではない 公園のベンチに座り、ネットサーフィンしていたが、目頭を押さえてネット接続を切る 「何してるんだ…俺」 何のためにここに来たのか 真夏の太陽の下、ふと考える 「えっと…九条くん?」 「ん……?」 聞き覚えのある声だ 振り返ると船旅を共にした少女がいた 長めの黒髪、黒を基調にしたセーラー服……ではなかった 「えっと…天音さん?」 「覚えていてくれてたんですね!ありがとうございますっ!」 「あ、あぁ…それはそうと、その服は…」 黒のブラウスに緑のチェックのミニスカートだ 新品でしわ一つない 「学園の制服なんです。似合ってますか?」 「あー…」 小柄な彼女にぴったりの、いや少し小さいサイズの服だ 体のラインがよくわか…… 「似合ってるよ」 「本当!?ありがとう!」 えぇ、とってもお似合いです 本当にありがとうございました 「そうだ!ちょっとお茶飲まない?一人じゃ行きにくくて…」 「そうだな…ちょっと暑いし、クーラー浴びるかな」 「ごめんね?付き合わしちゃって」 「いいっていいって、行こうぜ」 この時、気付くべきだった この先にあるのは地獄でしかない事を
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加