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「ところで悠」
昼飯の牛丼を平らげて、食後のリラックスタイム中に、
ちょこ饅頭は、悠々とに尋ねた。
「俺がここに来る前、夜霧から連絡来ただろ」
「あっ、はい。来てます。招集命令ですよね?」
うつ伏せから一気に起き上がり、何故か正座になる悠々と。
「あぁ、その招集場所が、ここって事も聞いただろ」
「はい。承知です」
「どうする?招集に来るか?」
今まで、悠々とは招集命令には、あまり応じておらず、
ちょこ饅頭を除く他のメンバーとの面識が薄い。
理由は簡単だ。
単にここから離れたくないだけ。
ここは治安が悪いが、ガラクタに紛れてレアメタルも出る上、
スキルのおかげで身を守れる。隠れ家としては静かに暮らせるからだ。
「……まぁ、たまには出かけるのも悪くないです。それに、ここ最近外に出てないので」
「いつから出てない?」
「三ヶ月間くらい」
篭り過ぎ。
篭っている間は、一体何をしているんだろう?
「専らネット動画を見ながら、この東京シティのネットワークを観察してます」
「…………」
ちょこ饅頭の心を悟ったかのように、
悠々とは説明した。
なんか恐ろしいな……
内心、ちょこ饅頭はそう思った。
「で、いつ出発するんです?シャワー浴びたいんですけど」
確かに、このボサボサの頭では表には出られない。
「別に、お前が好きのようにすればいい。三日以内にな」
「んっ、わかりました」
立ち上がって、シャワールームに向かって行く悠々と。
彼が居なくなってから、ちょこ饅頭も寝転がる。
多分時間がかかるだろうと、彼の中でそう考えたのだ。
考えて、麦わら帽子を深く被り、昼寝をする。
先ほど、ならず者を黙らせる為にスキルを使ったため、ちょこ饅頭はこれまた疲れていた。
余程疲れていたためか、
ちょこ饅頭が次に目覚めたのは、日が沈む夕方になるのだった。
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