愉快な設定ミスを受け入れましょう

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夢オチなんてよくある話だ。 アニメやドラマに多いそれを先に言ってしまうのはよくない。 「夢だったんだけどね」だなんて話は聞いていてつまらない。 どうせつまらない話ならあとで「夢でした」と教えて欲しい。 それなら「なんだ夢か」とぐらいは思えるかもしれない。 だけどあえて先に言ってやろう、これはすべて夢だったと。 「現実逃避とは美しくねぇなぁ」 …春から思い切って一人暮らしを始めてみた。 仕事をしていても引きこもりがちな生活を改善したかった。 今年の誕生日を迎えれば私も二十歳だ。 いつまでも子ども面で親に頼るのもどうだろう。 むしろ親孝行を始めても良い年齢だと思う。 「現実逃避は美しくないの? じゃあボク変な世界に来ちゃったってこと潔く受け入れるね!」 …ごほん。 だけど現状はこのありさまだ、夏直前に引きこもりに戻ってしまった。 親に仕事をやめてしまったことを正直に言うこともできず。 生活費が尽きるまでには新しい仕事を探せば問題はない…はず。 余裕はない、大事にしていたレア度の高いゲームを手放すくらいに。 そう、私はゲームが大好きなわけで。 今日は求職活動を休もうとゲームをしていた。 たまたま目に入った記憶にないゲーム。 クリアできずに放置したゲームは少なくないし、売ることもめったにしない。 だからそのゲームの存在を疑問に感じることはなかった。 忘れるぐらいだからどうせつまらないゲームだろうと思いながらも起動。 ここからだ、私がおかしな夢をみたのは。
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