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セリア君、ウチよりも恥ずかしがってるよ。
でも一応、返事してくれたし今しかないよね?
「行くよ。」
どんどん顔が近づいて行く。
お互いの吐息がかかるくらいまでいった時、ウチは勢いをつけるために声を出した。
「せーの!」
一思いに自分の唇をセリア君の唇に重ねた。
急いで、少量の魔力を送る。
セリア君もすぐに魔力を送ってきた。
交換した瞬間、唇を離す。
この間、僅か0,3秒。
ファーストキスがこんなに短い子は、どこの世界でもなかなかいないと思う。
パサァ、
うん?
なんか背中に違和感が…
あれ?
何で羽が出てるのかな?
こんな格好見られたら、質問ぜめに合うこと間違いなしだよ。
メンドクサーイ。
そんな事を考えながら、セリア君の方を見ると…
真っ黒で固そうな、羽が生えてました。
セリア君って、人間じゃなかったの?
「セリア君、この羽どうしたの?」
そっと近づいて、羽を撫でると物凄く驚かれた。
やっぱ、感覚あるんだし本物かぁ。
「うお!!何だこれ!?
って、スノウにもついてるし!」
あっ、やっと気づいたか~
遅いよ。
でも、何でだろ?
世界の知識でググらないと。
なになに、
契約には相性というものがある。
相性がいいと、連帯が取りやすくなったり、契約相手の行動が読めるようになる。
悪くても契約できるが、相性がいい者のような特典はつかない。
そして、相性最高の者同士が契約すると、ごく稀に片方の能力や魔力量にもう片方が影響されることがある。
この場合はセリアがスノウに影響され、出し入れ可能の翼と空属性が備わった。
成る程。
でも、空属性ってあんまり役に立たないような…
「どう?
契約は済んだか…し……ら……?
セリア。
貴方にそんな趣味があったなんて…
お母さん、何時から育て方間違えたんだろ?」
あっ、マスターいいところに。
なんか、勘違いしてるけど一度に説明できるし、丁度いいや。
「マスター。
この羽は、契約の影響でできちゃったみたいです。」
マスターは訳がわからないって、顔してる。
そりゃ、契約しただけで羽が生えるなんて事ないからね。
「ウチは突然変異で、羽を持って産まれたんですよ。
それで契約した際、相性の良かったセリア君が、影響を受けてしまって…
この羽と、空属性が備わったらしいです。」
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