うん。ギルドだね。

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「さて、じゃあ降りましょうか。」 ここはギルドの二階らしい。 扉を開けると、沢山人がいる大きな集会所のような場所を見下ろせた。 下からのアルコール臭が凄かったです。 所々に穴を塞いだ後があるのは流石だね。 ところでセリア君、いつの間に銀色のローブ(笑)を脱いだのかな? それにあの書類は放っておいて大丈夫なのかな? 会えて口に出さないのは空気読めない人になりたくないからです。 「おっ? 我らがマスター殿がお出ましだーー!!」 「キャーーーー!! セリアく~~~ん!」 マスターを見て発狂したように騒ぎ出すおじさま達に、セリア君に黄色い声を送るお姉様方。 はっきり言おう。 「臭い!」 もう息とか唾が着香してちゃってるよ。 最強の身体は慣れないと、最強の嗅覚でもろ鼻に刺激が走るから、扱いが難しいんだよ。 「ん? 何、あの可愛い子?」 「おお、子沢山マスター殿にまた子供ができたか。」 「臭い!」で始めて気付いてくれたギルド員さん達。 さっきも思ったけど、ウチって影薄いのかな? あ、なんか悲しくなってきた… それに臭い!に誰も反応してくれない。 「あ、今バラしたの誰よ!? 今から紹介して驚かせようと思ったのに。」 いじけたママ、ギャップ萌え要素、御馳走様です! 一気に元気になりました! 「もう、スノウちゃんが可愛い顔するから、元気でちゃったじゃない。 皆、紹介するわ。 私の新しい娘の…」 ママが促すようにこっちを見た。 挨拶くらい自分でしろ、の優しいバージョンですね。わかります。 というわけで、兎に角満面の笑みを浮かべて、いっきまーす! 「スノウ・ハイヴェンティーです。 よろしくお願いします!」 「と、言っても暫くしたらセリアと一緒に学園に通わせるつもりだけど。」 いきなりのカミングアウト!? さっきと言い今と言い、本当、フラグっていつたってるんだろう? 小説と現実はやっぱり違うみたいだね。 「母さん!? 聞いてないぞ!」 そこらの最強主人公よろしくの反応を見せてくれたセリアくん。 そんなところはテンプレなんだね。 でもまさかリアルで聴けるなんて… もうご飯三杯も夢じゃないです。 本当にそんなことしたら、きっと重くて飛べなくなっちゃうだろうけどね。 「だって言ってないもーん。」 楽しげに頬を緩めるママも素敵です。 ああ、ここは微オタク面食いの聖地だね!
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