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『かーみ様♪』
『今度はどうしたの?』
『何でウチ、こんなに美人さんになってるの?』
『ああそれは、その世界は滅茶苦茶美形が多いんだよ。』
つまり、この世界ではこのモデル並みの顔が、沢山いるらしい。
って、ウチ元の顔で来てたら、やばかった…
絶対いじめとかあったよね。
もう、考えるの辞めよう。
『そっか。何度もごめんね~。じゃあね。』
はあ、この美人だらけの世界に、慣れられるかな?
元平々凡々のウチにはできる気がしない…
あっ、そうそう。
ウチの顔はね、ぱっちりクリクリした空と同じ色をした目に、桜色の小さな唇。
すっととおった鼻先に、濃すぎも薄過ぎも太過ぎも細すぎもしない眉。
雪みたいなすべすべの白い肌に頬の部分だけほんのりピンク色になっている。髪も水色がかかったサラサラの白髪。
所謂、清楚系美人なんだよ。
もう、地球にいたら、道歩くだけで暑い視線が送られそうなくらい、美人なんですよ。
これが沢山いるって、地球の人が来たら絶対浮くよ。
残念な意味で。
っと、そんなこんなしているうちに、昼になっていたみたい。
お腹すいた~
街にいかないと、食べる物ないのに歩きたくない。
よし。飛ぼう。
ウチの羽は、髪と同色のフワフワしたものだった。
なにこれ可愛い!!
って、そんなことしてる場合じゃないや。
早くしないと、お腹と背がくっ付く。
善は急げ。せーの!
アーイ キャーン フラーーーイ!!
うわあ、速い速い。
多分、飛行機の二倍以上の速さだよ。
もう、森ぬけたし。
まあ、さっき悲鳴が聞こえたのは、気のせいだろう。
いや、気のせいであって欲しい。
ん?
また森だ。
道間違えたかな?
よし。戻ろう。
え!?
Uターンするとそこには……
カオスエンシェントドラゴン(灰色の鱗を持つ五十程メートルのドラゴンで、危険度オーバーランク)が居ました。
ここ、危険度Bのちょー安全な森のはず。
あっ、まさかあれかなー?
魔王復活みたいな。
とにかく降りよ。
…………………………
やっぱりついて来るよね~
にーげろーー!
全力疾走いっきまーす。
ちょっ、こいつ滅茶苦茶速い!?
「きゃぁーーーーーーー!!」
うん。女っぽいね。
でもね、今までふつーーーの女子高生だったウチが、いくら力持ってても、いきなりドラゴンとの戦闘は無理だよね?
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