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夢というのはおかしなもので、見たいと思ってもみることはできず、見たくないと思ったことは夏休みに出される宿題のようにねちねちと見てしまう。
ある学者がいうには、本来夢とは私たちの経験や受容した感情などを頭で整理する過程で脳内映画館のごとくだらだらと流れるものらしい。
だから、普段は夢を見ないという人でも気が付かないだけで寝ているうちに空想の事象を追いかけて右へ左へと眼(まなこ)を泳がせているに違いない。
だからと言って本当に寝ている人の瞼を開けてはだめだ。想像してみてほしい。口から涎を垂らした紳士淑女がうつろな目をぐるぐると回している光景を。そんな不気味なものは犬でも食わん。
ここまでだらだらと私がいったい何を伝えようとしているのか。
簡潔に言おう。私は今夢を見ている。
いつか本で読んだことがあるのだが、夢を見る人の中にはまれに自分が今夢を見ていることに気付くことがあるらしい。そういうときは大概ほんとうに夢を見ているのだそうだ。
なぜ私が夢を見ていることに気が付いたのか、それは今のところ定かではないがこうなったからにはこの夢が覚めてしまうまで精いっぱい好き勝手なことをする所存である。
そもそも今日は何日なのか。唐突に夢を語りだしたのでそんなことも読者の皆さんは知らないはずだ。
ひとまずはそういった最近の出来事についてお話するとしよう。
そうすれば皆さんも、私の夢に現れる摩訶不思議の原因について理解が深まるはずだ。
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