復讐のけいどろ

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振り向くと、田淵がいました。 棺に入っていた時の鈴木と同じく、青白い顔にげっそり痩せた頬、 落ち窪んだ眼、そして何より恐ろしかったのが、 僕を見て嬉しそうに笑っていたことです。 死人の笑顔には、見ているだけで生気を吸い取られそうな 恐怖がありました。 僕は一目散に逃げ出しました。 運動会でも出したことのないぐらいの必死さで走りました。 でも、僕を呼ぶ声はどんどん近づいてくるのです。 背中に田淵の指の先が当たり始め、 諦めかけていたその時、目の前に神社が見えました。 吉本がお守りを買った神社です。 僕は藁にもすがる気持ちで、そこへ飛び込みました。 田淵は追ってきませんでした。 そのまま神社の前を通り過ぎていったのです。 結局僕は、家族の通報で僕を捜していた警察官に発見されるまで、 賽銭箱の前に座っていました。 それからも幾度ということなく、田淵に追いかけられました。 その度に捕まりそうになりながら、 僕は何とか逃げ延びることができました。 その中で分かったことがいくつかあります。
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