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魔界。
中でもここはその昔魔王と勇者が死闘を繰り広げた魔王城、玉座の間。
その玉座に一人の青年が腰を掛けている。
黒いボサボサの短髪からは角が伸び、黒いマントを身に纏ったこの男が現在の魔王である。
見た目には二十代半ばであるが、実際は百を優に越える年齢だ。
そんな魔王が玉座で行っていたのは書類整理。
「あと何枚あるんだ?」
「お聞きになりますか?」
「いや、いい」
魔王が側近にぼやきながら仕事をこなしていく。
魔力で数枚の書類を自分の前に浮かべ、目を通し、必要であれば判子を押す。
なんとも地味な仕事だ。
そんな仕事の最中、突然玉座の間の扉が勢い良く開いた。
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