ディアモール

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「何で何処も空いてないの!?」 ユエが町中で叫ぶ。やめろよ......皆見てるだろぉが。 「確かにな。これだけ回って空いてないとなると何処も空いてない気がしてくる。」 俺達はあれから宿屋を5つ位回ったが全部空きがなかった。 何かイベントでもあるのか? 「......仕方ないから最初に情報収集するか?それに出店もなに売ってるか見て回ろうぜ?」 「うん!じゃあアソコ行こ!!」 そう言ってユエは俺の手を引いてアクセサリーの売ってる出店に歩いていった。 現金だよな。さっきまであんなに疲れた顔してたのに。そんなユエを見ると逆に疲れるよ。 「おう!らっしゃい!」 出店を出してる人はガテン系のおじさんだ。 「全部かわいー!!これとかスゴい凝ってるねー!!」 ユエが手にしたのは青い宝石の埋め込まれたブレスレットだ。デザインはブレスレットを彫って作られていて可愛いと言うよりも、俺はカッコいいという表現の方がしっくり来る。 出店の親父さんもカワイイと言われて複雑な顔をしてる。 「そ、そうかい?気に入ってもらえたんなら良かったよ! そのブレスレットは装備すると青属性の魔法の攻撃力が上がるんだよ!!」攻撃力が上がるのは良いけど青属性だけか......全属性なら良いけど、特定だけってのはなぁ...... ユエはそれを見て目がギラギラしてる。 「キヨ?これ....「ダメだ。」ちぇー......」 ユエは浪費癖が半端ないからな。無駄使いは極力させたくない。 ユエは次に指輪を手に取った。その指輪は何も装飾は無いように見える。 「お!ねぇちゃん目が高いねー!!それはラブズリングつってな?二つで1つなんだけど、装備したもの同士は相手のいる場所や魔力を流せば話すことも出来るんだよ!」 それは良いな。突然いなくなってもそれがあれば迷子になることもないし、離れた場所にいても連絡がとれる。 「それに名前がラブズリングだろ?良くカップルが買っていってくれるんだよ!お二人さんもどうだい?」 性能は良いのに名前は気に食わないな......でもユエを見てみるとスゴい欲しそうな顔もしてるし...... 「おいくらなんですか??」 ユエが出店の人に質問した。 「んー!本当なら二つで50000s何だけど、今回はマけて35000sでどうだい!!」 ユエは俺の顔色を伺っている。値段もソコソコ張るから買わないと思ってるんだろ。
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