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市の楽しそうな顔を見ると、勝家も自然と頬が緩くなる。
どんなに戦で疲れていようと、市を見るだけで疲れが吹き飛ぶのだ。
勝家は今で言うロリコンかもしれない、時代が違ったら牢屋にぶちこまれていただろう。
こんな平和な時間が続けば良い…そう思った矢先に誰かがやってきた。
一瞥し相手を確認した勝家は、慌てて姿勢をただした。
「市、またここに来てたのか?お前は本当に花が好きなんだな」
市の兄、信長だ。
だが、おかしなことに信長の表情はどこか暗い。
その表情で勝家は悟った、信秀に何かあったのだろう…
わざわざ信長が来たのは、市を不安にさせないためかもしれない。
「兄様、どうしたのですか?」
市の手には色とりどりの花がある。
信秀にあげる花だろうと察してしまい、信長は口ごもってしまう。
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