恋人は吸血鬼

2/363
前へ
/375ページ
次へ
月の綺麗な夜だった。 高校のバスケ部の活動ですっかり暗くなってしまった夜道を、俺、宮崎健一(みやざきけんいち)は一人で歩いていた。 街灯に集まる虫たち。季節は夏だが、さすがにこの時間になると多少は涼しくなる。 今日の夕飯は何だろう。最近やたらカレーの出現率が高かったから、他のがいいな。 「近道しよ」 街灯の少なくなる細い道に入る。この前この辺りで変質者が出たとか聞いたけど、男だから関係ない。 もし相手が、男子高校生が好物な痴女だったら困るけど。
/375ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1384人が本棚に入れています
本棚に追加