狂気への扉

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「うん。あと、空蝉丸とセネも来たら行こうと思うんだけど」 「分かった。待たせてもらうよ。」 褐色の美男子は畳の上に膝を付けると、窓のある方角に向けて深く深くお辞儀をした。どうやら、お祈りの時間らしかった。 そうそう。度々出てくるセネちゃんという男の事も話しておこう。 正宗・ダティという日本人とアフリカ人のハーフでお父さんがセネガル出身の為にセネガルまたはセネちゃんと呼ばれている。 驚異的な身体能力を活かして高校のバスケットやサッカー、陸上競技の試合で活躍したが、強すぎた為に飛んだ相手からの心無い野次に心を折られ、それ以来スポーツを辞め俺達と帰宅部の活動を精力的にこなして来た男だ。駄菓子屋がお気に入りで店のお菓子全種類制覇も成し遂げた猛者だ。 ちなみに俺は着替えの時に見た彼の彫像のような肉体に心奪われた事もあった。 まぁ、俺達の大切な面白黒人枠ってとこかな。
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