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四日間のテストが終わり、順位表が返された放課後。
同じクラスの陽向と荒木と一緒に部室に向かう。
「彩菜は?」
彩菜と幼馴染の荒木が尋ねてきた。
「先生の手伝いだって」
「今?」
「うん。その後、勉強教えてもらうって言ってた」
「…………誰、その先生って」
「?まっすーだよ」
あたしたち四人の担任の益田先生。
担当は数学で、あたしたちが入学した年に新任として来た若い男の先生。
顔はまぁ格好いい部類で、女子生徒からの人気は凄い。
「へ、へぇー…。まっすーね」
“まっすー”と聞いてからの、荒木は慌て始める。
「どうしたの、急に。まっすーと何かあったの?」
「え?!いや、別に?」
分かりやすいくらいの変化に、問い詰めようとしたら話題を変えられる。
「そういや。どうだったの、順位は。相変わらずですか?」
「…どういう意味よ」
「え。別に馬鹿にしてないし。てか、馬鹿に出来ないし」
そう言うと、あたしが持っていた順位表をすんなりと取られてしまった。
「あ、ちょっと!」
「うわー。すげぇ。一桁じゃん。さすが、永澤」
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