好きな人

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*** 四日間のテストが終わり、順位表が返された放課後。 同じクラスの陽向と荒木と一緒に部室に向かう。 「彩菜は?」 彩菜と幼馴染の荒木が尋ねてきた。 「先生の手伝いだって」 「今?」 「うん。その後、勉強教えてもらうって言ってた」 「…………誰、その先生って」 「?まっすーだよ」 あたしたち四人の担任の益田先生。 担当は数学で、あたしたちが入学した年に新任として来た若い男の先生。 顔はまぁ格好いい部類で、女子生徒からの人気は凄い。 「へ、へぇー…。まっすーね」 “まっすー”と聞いてからの、荒木は慌て始める。 「どうしたの、急に。まっすーと何かあったの?」 「え?!いや、別に?」 分かりやすいくらいの変化に、問い詰めようとしたら話題を変えられる。 「そういや。どうだったの、順位は。相変わらずですか?」 「…どういう意味よ」 「え。別に馬鹿にしてないし。てか、馬鹿に出来ないし」 そう言うと、あたしが持っていた順位表をすんなりと取られてしまった。 「あ、ちょっと!」 「うわー。すげぇ。一桁じゃん。さすが、永澤」
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