20人が本棚に入れています
本棚に追加
「何」
「え?」
「ずっと見てるから、用があるんじゃないの?」
「えっ…と」
うそ!
あたし、そんなにじっと見てた?
何か、話題…。話題を…。
「あっ!あのさ!今日は先に帰ってて?本屋に寄りたいんだよねー…」
なぜそれを今話したんだ、あたしは!
こんないつも一緒に帰ってますアピールをしたかった訳じゃ無いのにっ!
いや、帰ってるけれども。
高校生活の最後の方でまた敵を作ってしまった…。
予想通り、さっきよりも倍以上の人から睨まれる。
肩身が狭くなって縮こまっていたら、荒木が声をかけてきた。
「今日駅の方まで来るの?なら、俺と一緒に帰ろうよ」
「けけけ結構ですっ」
無理無理。
あなたもモテるんですよ、荒木さん。
あたし、荒木とも帰っても殺されると思う。
「何だよ、その即答さ。傷つくわー」
「え、あ、いや。違うの!荒木と帰るのが嫌なわけじゃ無くてね?」
「なら一緒に帰ろうよ。方面一緒なんだからいいだろ?夜道は危ないし」
「いや、でも……」
あぁ。あたしはどうしたらいいんですかね、彩菜さん。
内心で、親友の彩菜に助けを求める。
最初のコメントを投稿しよう!