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「何の本買うの？」
「え？えっとね、栄養士関係の本でいいのがあれば買いたいなぁって」
ずっと黙っていた陽向が急に関心を持ち始めて、戸惑う。
「なら俺もついてく」
「えっ?!」
なぜ?!
陽向くらいに本屋が似合わない人はいないと思うんだけど…。
「今日、いつも買ってる雑誌の発売日」
「…あぁ、なるほど。あれか」
陽向の部屋に積み重なってるサッカー雑誌を思い浮かべる。
国内サッカーはもちろん、海外サッカーの事も詳しく載っているから陽向のお気に入りの雑誌になっている。
「じゃあ、一緒に行こうか」
「ん」
これで丸く収まったね。
とか思ったけど、全く収まってない。
「ちょっと、永澤。俺とは帰らないのに、こいつとは帰るの？」
ですよね。
やっぱりそこ聞きますよね。
「だって荒木、そのまま絶対家まで送るでしょ？反対方面なのに」
「そりゃあ、駅から一人で帰らすのも危ないし…」
「そんな二度手間されるくらいなら、同じ方面の陽向と帰った方がまだ…」
ってちょっと待て。
どうしてあたしは、誰かと一緒に帰る事になってるの？
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