20人が本棚に入れています
本棚に追加
あたしがサッカーに興味を持ったのも、片思いの相手がサッカーが大好きだったから。
少しでも近づきたいと思って、中学生の頃にサッカー部顧問に頼んでマネージャーにならせてもらった。
でも、マネージャーの仕事は想像以上に辛かった。
あんな漫画みたいに部員たちを可愛く応援なんて、無理無理。
部室とか倉庫とかグラウンドの隅でちょこまか動いてるだけ。
部員を見てる暇なんて全く無い。
これだけは、少女漫画に騙されたと思ったよね。
まぁ、それでも彼の側にいられるならって事で、高校も同じ所を受けて部活も同じにした。
当の本人は、そういうのに疎いから全く気付いてないけど。
…………疎いと言うか、興味が無いだけか。
慌てて走って、タオルのカゴをグラウンドに置いて、ドリンクを作りながら今までの事を振り返っていた。
「後、少しか…」
でもそんな生活も高校を卒業したら終わる。
これ以上彼に近づく事は出来ない。
「何で、勧誘されてんのよー…」
初めて知らされた夏から、ずっと思い続けてる事。
これのせいで、どれだけ進路に困ったか…。
最初のコメントを投稿しよう!