目覚め

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小さな穴だ。 ふと思いつき、手にはめられた腕輪に視線を移した。 もしかすると……。 腕輪の上部にある出っ張った端末を穴に差し込んだ。 ピタリとはまる。 それとともに、スイッチの上に赤いランプが灯る。 「あっ!」 明恵が声をあげた。 直人は明恵と視線をあわせ、つづけてスイッチを押した。 赤いランプが緑色に変わる。 だが、それだけだった。目の前の操作盤は沈黙を続け、起動することはなかった。 「全部のスイッチを押さないと駄目みたいだ」 直人は言って隣のスイッチを押して見るが何も起こらない。 「腕輪がないと駄目なんじゃないの?」 直人はうなづき、穴から端末を引き抜いた。 それと共に点灯していたランプが消える。 端末を差し込んでいないとランプはつかないようだ。
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