15人が本棚に入れています
本棚に追加
扉の開く音が響いた。振り向く。
大柄な角刈りのタンクトップ姿の男が現れた。
泉田真也だ。
警察官をしているせいか、大工の友明と比べでも劣らないくらい筋肉質だ。
直人の知る顔。これはもはや偶然ではない。
親友とも呼べる存在が偶然集まるとは考えずらい。
「あとは洋介だけだな」
直人の言葉を否定する者は誰もいなかった。
無言で頷き、一斉に扉を見つめた。
すぐに扉が開き、朝倉洋介が現れた。
とんでもなく爆発した寝癖に灰色のパジャマ姿で、ペタペタとスリッパの音を響かせ五人の元に歩いてくる。
そのあまりの風貌に五人は顔を見合わせる。そして笑った。
「なんて格好してんだよ」
笑いながらも直人は言った。
洋介は五人の前まで来ると立ち止まる。
「おはよう」
洋介は言い、頭を掻いた。
五人はさらに笑った。
最初のコメントを投稿しよう!