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松山直人はゆっくりと目を開いた。見たことのない天井。混乱した記憶の中で、直人はゆっくりと上半身を起こした。
見知らぬ部屋。ベッドの上。自分がなぜこんな所にいるのか、まったく思い出せない。
必死に記憶を整理する。
会社の帰り、いつものように電車に乗り、家までの道を歩いていたはずだ。
そういえば……。
誰かに殴られたような記憶がある。
直人に思い出せるのはそれだけだった。
病院に運ばれて来たのだろうか?
直人はゆっくりと部屋を見回した。
殺風景な部屋だ。窓ひとつ無くどう見ても病室には見えなかった。
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