15人が本棚に入れています
本棚に追加
「だけどよ!」
友明が叫んだ。
「落ち着いてくれ。とにかくますばあれを調べてからだ」
直人は言ってビニールシートを指差した。
みんなの視線がビニールシートに注がれる。
直人はビニールシートの側まで行くと、ゆっくりと持ち上げていった。
が、すぐにビニールシートを離した。
「どうしたの?何があったの?」
涼子が言い直人に近付いてくる。
「来るな!」
直人は怒鳴り涼子を制止した。
「調べるから待ってて」
直人は再びビニールシートを持ち上げた。
見間違いであってくれ。祈るようにめくっていく。
だがその願いが通じることはなかった。
人間の足が見えた。
生唾を飲み込み、なおもシートをめくっていく。
腕輪を付けた腕が見えた。液晶の数字は0が四つ。
これ以上は見てはいけない。思考が告げている。
だがそんな考えとは裏腹に手は、ビニールシートをめくっていく。
やがて首輪が見えた。喉の部分にあるはずの緑色の液体はない。
やがて顔が見えた。どす黒い顔。
口を大きく開け、泡のようなものを吐き出している。
目は半分以上飛び出し苦悶の表情を浮かべていた。
直人は叫んだ。まさに金切り声。
最初のコメントを投稿しよう!