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明恵はシャッターの前の操作盤に近寄った。
「みんな来て。このシャッターを開けるわよ」
「待ってくれ」
直人は立ち上がった。
「なんで?ここに居ても死ぬだけなのよ?なら先に進むしかないじゃない」
「もうちょっと待ってくれ……確認したい」
直人は言ってビニールシートに視線を移した。
明恵は何か言いたそうだったが、ため息をつき壁際に下がった。
直人はビニールシートに歩いて行き、尻餅を付いている友明に手を差し伸べた。
「悪い」
手を出した友明の手を引っ張ると立たせた。
深呼吸するとビニールシートを捲った。顔は見たくない。首のあたりまで捲ると、そこで手をとめた。
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