勇気

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「大丈夫なの?」 明恵の声が聞こえ、後ろを振り返る。 友明が声を上げたせいだろう、皆集まり、友明の様子を見ていた。 「大丈夫だよ」 根拠なんてなかった。 死体に驚き、尻餅をついたのを皆に見られている。 これ以上情けない姿を見せるわけにはいかなかった。それは友明の意地でもあった。 ノブを回し、ガラス戸を引く。 中は驚くほど狭かった。一人が立って入るぐらいが、限界ぐらいの広さだ。 部屋と呼ぶには狭すぎる。 単なる空間だ。 奥は赤いタイル。 「ほら、大丈夫だろ」 「大丈夫じゃないわよ。何かあったらどうするつもりなのよ。この馬鹿」 「ば……そんな格好してる方が馬鹿だろ」 友明は言って明恵のももに視線を下げた。 ミニスカートから出た白い足が見える。
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