スイッチ

目覚め

後ろで扉が閉まる音がした。
思わず振り返る。

直人が出てきた扉側にも部屋があるようだ。直人が出て来た扉以外にも２つの扉がある。

直人は扉を調べようと慎重に近付いた。

手を出そうとしたが止めた。
扉には取っ手がついていなかった。

自分が出て来た扉に視線を移すが、当然のように取っ手はない。

こちら側から開けられない。そういうことだろう。

直人は諦めると、廊下の先に進んで行った。
そこは八畳程の空間だった。全面コンクリート。
正面には閉じたシャッター。
シャッターの前には、沢山のスイッチが着いた操作盤のような物が置かれていた。

直人は操作盤を調べようと足を踏み出した。

その時、後ろで扉の閉まる音が聞こえた。振り返る。

赤い派手なシャツに、太ももが露わになったミニスカート。
長い黒髪を後ろに束ねた女が立っていた。