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「───よってそなたを、地獄行きとす」
凛とした声が響きわたる。
ここは、この世とあの世の狭間の世界。
黒と白の二つの扉の前に一人の女性が座り、女性の前にはおびただしい数の人が並んでいた。
女性のすぐ目の前にいた男が抗議の声をあげる。
「ちょっと待ってください!
私には地獄へ行かなければならない心当たりがありません!」
女性もその言葉を受けて反論をした。
「ちゃんと説明したでしょう。
そなたの子が人を殺めた。
よってそなたは地獄行きです」
「それは……私の子が勝手にやった事であり、私自身にはなんの関係もないはずです!」
「それは違います。
そなたが育て方を間違えていなければ、誰も死なずにすんだ。
責任の一端はそなたにもあるのです」
「くっ……」
「よって、これで審判を確定とします」
その言葉が発せられ、手を打った瞬間、男の手首に腕輪がつけられた。
これはある意味の『呪い』
これをつけられた者は決して"管理者"に逆らうことは出来ず、ただただ従うことしか出来なくなる。
「連れていって」
「「はっ!」」
女性の声を合図に横にいた二人の女が男を連れて、黒の扉に入っていった。
男は悲痛な顔で女性を見ながら、連れていかれた。
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