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「なぁ閻魔。
もし、俺の地獄改革が終わったらさ……」
「待て。
その先は……言っちゃダメだ」
女性はなにかを言いかけた男の唇を、自分の人差し指でふさぐ。
そして優しく微笑んで、首をふった。
「閻魔……」
「すまんなサタン……
私達はそういう運命なんだよ」
「それは……!
……いや……なんでもない」
二人は見つめ合う。
「お前の気持ちは嬉しいよ。
素直に嬉しいと感じる。
ただ……私とお前は魔王と閻魔だ。
所詮一緒には、なれんよ……」
女性は優しげなやんわりとした笑みを浮かべ、男に語りかける。
「いや……それは違う」
男は女性の言葉を否定した。
その言葉に女性は驚いた表情をした。
「俺やお前の父親がなんと言おうと、俺はお前が好きだ。それは変わらない。
その気持ちを持ちつづければ、何かが変わると俺は信じるよ」
「サタン……」
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