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『柏木、お前さ
もう少し場を考えろよな
あんな公衆の面前で
あんなに派手にやらかしやがって!!』
オフィスに入るなり
待ってましたとばかりに穂高が寄ってきた
『お前はさ…
自分の置かれた立場ってもんをわかれよ
俺があの後どれだけ苦労したか…』
大袈裟に溜め息なんかついたりして
首を振りながら
また…溜め息
『なんで穂高が苦労するのさ
僕、別に何も頼んでないけど?』
『…あの後どうなったと思う?
お前目当ての女子達は
騒ぎだすし
向こうさんは一気に葬式みたいな雰囲気が漂っちまってるし』
穂高の話す状況を頭の中で想像すると
確かに可笑しくて
『…ああ…それは大変だったね』
『…ばっか!!
笑い事じゃねぇよ!!
【葵衣さんと柏木さん付き合ってたんですか?!】
【穂高さん、知ってたんですか!!】
いきなり質問攻めだ
んなこと知らねぇし!
って言いたかったけど』
そこで一度言葉を切った穂高が
ふぅ…と息を吐いて
一本指を突き出してきた
『お前に一つ貸しだ』
……?
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