いつもそこに君がいた

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『このままだと 葵衣ちゃんが女子達に妬まれるのが容易に想像できる それはお前達にとって 面倒になるだけだと踏んだ俺は。 この、卓越した機転でその場を納めた』 コイツは何でこんなに生き生きしているんだろう 完全に自分の世界に入ってる 取り敢えず面白いから黙って見ていようか 穂高の一人芝居は いつの間にかオフィスの注目の的になっていた 『まず、俺は騒ぐ女子に こう言った 【あいつらは付き合ってる。柏木の猛アタックの末に彼女が落ちた】と。』 猛アタック…って… 適当もいいとこ 全くキャラじゃないんだけど しかもその時点で まだ付き合ってないし 『…で、【付き合ってるのを言わなかったのは 城崎チーフと柏木の兄さんの結婚話が先に出ちまってタイミングを逃した事と 後は湊さんに口止めされてたらしい 今、一番忙しい時期だからこの山が終わるまで大人しくしてろって】 そう話したら みんな納得してたぜ? お前のアタックを断れる訳ないとか 湊さんの指示なら仕方ないとか あ、湊さんには今朝 口裏合わせ頼んでたから完璧だ 湊さん相当笑ってたけどな』 どうだ、と言わんばかりの自信に満ちた視線 『…よくそれでみんな納得したね』 だけど 『お前があんなに女に入れ込むなんて、予想外だった だから うまくいってほしいって思ったよ、ほんと』 いざとなれば 自分なりに何とかするつもりだったけど 思わぬ援護射撃を受けて呆気なく一段落 僕が出る幕が無いに越したことは…ないからね ニヤリと笑った顔から 穂高の思い遣りみたいなのを感じて 素直に感謝の言葉が 口から漏れた 『…ありがとう 助かったよ』
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