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あんまり覚えていないけど
雨が降ったんだろうね
いつも以上に泥だらけだったし
親父が家にいたし
親父はダンプの運転手で雨の日は休みで家にいたんです
帰り道にいつものように泣かされて泥だらけ
泥だらけでグチャグチャになったショックでいつもより激しく泣きながら帰ったんですよ
したらいるはずのない親父がでてきて
うるせえ!
ピーピー泣くな!
と左頬に張り手
いや掌底だな凄い衝撃だったり
でも衝撃は頬よりも心への衝撃のほうが強かった
だってさ
だってさ
なに?うちの可愛い息子に舐めた事しやがって
俺が仕返ししてやる!
とか
可哀想にな欲しい物買ってやるからもう泣くな…
とかさ
期待していたわけですよ(笑)
ぶん殴るって(笑)
殴られて頭が真っ白になって
星がチカチカして
びっくりしたなぁ(笑)
ショックで奥の間にいる婆ちゃんのとこに逃げ込んじゃったもん(笑)
その日の夕方親父に呼ばれて茶の間にいくと
デニム生地のダッフルバック
そう船乗りとか渡り鳥(小林旭的な)とか
なんかそういう人が担ぐ 袋に紐がついただけのバッグですよ
それにウエス(ボロ布)を詰めて
首から親父がぶら下げてるんですよ
俺にチョークを渡して
気にいらない奴の顔を書け
と(笑)
四人もいるから書けない
と言えば…ならしかたないって返事をまだ期待している馬鹿な子供(笑)
じゃあボスの顔を書け
なやんだあげく…
へのへのもへじ的な
だいたい俺には絵心がない
親父が奥の部屋に俺を連れて行き
殴れ
という
ダッフルバックを殴れと言うんだ
わけもわからず左右のパンチを振り回してダッフルバックを叩くと
次は親父が左右の蹴りを容赦なく小1の俺に当ててくる
ひるむな!
と怒鳴られ
また蹴る
だから蹴られても殴る
痛くても殴る
我慢して殴る
それからしばらく
晩飯の後に毎日小一時間
日課になりました
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