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……来てしまったのですね。
初めまして、
私、先程貴方に御忠告申し上げました。
此の非現実的な世界の御案内、
御解説、
担当させて頂きます。
嶺(レイ)と申します。
以後お見知り置き下さいね。
はい、
皆様の目の前に扉は見えますでしょうか?
この扉はいよいよ、
ただくだらないだけのつまらない窮屈な非現実的な世界への扉で御座います。
この扉の先には、
不登校で女らしくもなく、何故か強情が目立つ霙嶺(ミレイ)という人間が存在致します。
そもそも私は、
まだ霙嶺がまともだった頃に、彼女の正常な潜在意識から生まれた者であります。
彼女は若干十四歳にして、
今では冷蔵庫をノックする程に非常に厄介な生物になりまして、
押し潰されそうな状態に陥った彼女の最後の、
正常な意識である一粒程度の私は彼女を脱出。
まぁ私程度の一粒ですから、
脱け出しても然程彼女に変わりは見られません。
そして私は、
彼女の御先祖様と守護神様の元へと赴き、
事の次第を話しました。
すると御先祖様は、
“この狂い振りは来世にまで影響するのではないか…”
と仰有いました。
全くその通りで御座います。
守護神様は、
“コレハ是が非でも止メネバならン…
キミ、チカラヲ貸すノダ”
と仰有いました。
勿論ですとも、一応あれでも私が宿っていた生物ですからね。
そして私が与えられた任務は、
彼女の狂い振りを記していくことなのです。
来世に生まれた際、
恐らく彼女は消しゴムでもステレオでも狂うのでしょうので、
対処する為にデータを付けることにしたのです。
そして彼女はあれでも人間。
人間というものはまともに不思議なもので、
彼女の非現実的な此の世界に足を踏み入れてしまう方もいる様…
そう、貴方です。
私の任務はまだあります。
其れは、
貴方の様に此の非現実的な世界に足を踏み入れた方に此の世界の解説をし、
此の世界のくだらなさを知って頂く為。
私の忠告にも留まらず、
此処まで来てしまってはもう手遅れ…
されど運命なのでしょう。
だからこそ、
此の世界の間違えを教え、彼女の様に狂う人間を私はもう増やしません。
其の運命を自らの手で切り開くのです。
さぁ、参りましょう。
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