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私は怪物から目を背け、ただ夢幻の世界を求め、歩いたのです。
そして見つけました。
そこは蛍光色の世界の中にスポットライトを浴びているかのように夢幻の世界が広がり、白いバルコニーが淡い空間とよくあっていました。
バルコニーには人が立っていました。女性です。
年はよく分からなかったのですが、すがるような瞳で私をじっと見つめていました。
女性の長い髪が淡い光を帯び、さらさらと揺れているのを見て、私は初めて風が吹いていないのに女性の髪が揺れていることに気がつきました。
しかしそんなことはどうでも良かったのです。
ただ胸が張り裂けそうな気持ちだけが私の心、否、全身を満たしていました。
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