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人生にはハプニングが付き物だ。
それが全くないなんてことはない。
今までだってそれなりに色々なことはあったし、自分なりに乗り越えて来たつもりだ。
神は乗り越えられない試練は与えないとも言う。
そんな大袈裟なことじゃない?
だけど、そうは言っても嫌なものは嫌だし、無理なものは無理。
これは乗り越えるとか立ち向かう云々の話ではない。
とにかく勘弁して下さい!
だって、私は今、世界で一番苦手で厄介だと思う男とこの狭い閉鎖された密室に、しかも隣りに並んで座っているのだ。
あれから、柚葉さんに押し切られるようにコイツに送ってもらうことになった。
愛ちゃんまで「気を付けてね~」なんて呑気に手を振っちゃうし……
……まったくツイてない。
しかも、駐車場に行ってコイツの車を見てア然!
びー、えむ、だぶりゅー(BMW)!?
つい片言に……。
黒光りしたその車体にそのマークを見つけると、ちょっとビビって足が竦んでしまった。
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