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家の前で車が停まり、ギィッと小さくギアを引いた音が静かに車内に響いた。
やっと着いた……
これでコイツとの拷問のようなドライブが終わったことに、ホッと胸を撫で下ろしながら安堵した。
だって、あの後のコイツと来たらーーー……
『リハビリ……?』
『そう。リハビリ。
俺と慣らしていくってのはどうよ?』
『ふざけないでよ!何でアンタなんかと!』
『てか、意外と平気そうじゃね?
もう一回しとく?』
『サイテーッ!!』
バシッーーー!!
『ッテ……』
「じゃぁねっ」
本当はまた一緒に車になんて乗りたくなかったけど、帰る手段がないから仕方なく……。
話したくもなかったし、黙って降りようかとも思った。
けれども、さすがにそれはどうかとも思い、顔は見ることなくたったこれだけを発しながらそそくさとドアに手を掛けた。
でもーーー
あ、あれ?空かない……?
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