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路地裏をため息をつきながのんびりと歩く少年。路地裏を歩いてるせいか何時の間にか周りにはあからさまな不良達がよってたかっていた。
「ははっ!おまぇらぁ!この弱っちい坊やから金を奪ってしまえ!」
平凡な台詞に不良らしい態度をとる彼らに再びため息をついた。
「僕はそんな弱く見えるのか。あぁ。未熟だな。警邏として…」
「あぁ?なにいってやが――」
「おい!こいつ、この制服!瑠璃校じゃねぇか!?」
「この蒼い制服はッ!!」
瑠璃校の少年は頷いて言った。
「少年警邏高校一年能力順位第四位の不知火稜(しらぬいりょう)です。君たち窃盗未遂で逮捕。」
路地裏で火が逆巻く。
強い能力が人の優劣を決める世界。能力で赤ちゃんが筋骨隆々の軍隊を倒すことだって可能。ここはそういう世界。
この不知火は勝者といってもいいかもしれない。
でも今回はこちらの勝者ではなく、何か勘違いした敗者の物語。
その本人。天井眞樹(あまいまさき)はのんびりと学校へと向かっていた。また退屈な学校かとぼやきながら歩いている。
ふと、左手側から火の手が上がっていた。突然の火の手。考えられるのは、
「能力者がガソリンだなぁ。」
回りの人がそちらをジッと見つめていたが、眞樹だけはさっさと歩いていった。
「(人とは関わらない。否、関われない。)」
そう思って警察の誘導の中で学校へと向かった。
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