第一章

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とある出来事から、友達を作ってはいけないと考え続けてきた、少年には話す人がアパートのオーナーや医者しかいない。 なにもしらない人から見れば、どこぞの「愛と勇気だけが友達さ」と歌う「アン○○マン」とかいうキャラクターと同じ目線でみられるかもしれない。 それと眞樹の決定的な違いは別に有るようだが。 靴のまま校内に入っていく。この学校に上履きなどは存在しない。 よって「靴箱の中に手紙が!」などというベタベタな展開は有り得ない訳である。 そんなうちに教室に入った眞樹は自分の座席へと一直線で向かっていく。 その間におはようなどと声をかけるものはいない。 中学の三年間から暗黙の領域いりしてしまったらしい。それでも、クラスは変わるので知ろうともしない顔が増える。その中には話しかけてくる馬鹿者もいるかもしれない。 そのせいか、教室に入って初めてかけられた言葉は普通に「おはよう!…眞樹くんだよね?」 となってしまった。 結局それを無視という態度で返す。そんな異常な光景を当たり前のように過ごす新しいクラスメイト。 そんな異常な光景を目の当たりにして、話しかけてきた少女は顔を赤らめて外へと出て行った。 なんだよと思いながら、すぐに席につっぷっして寝始める。 「へー。聞いたとおりだな。」 その二つとなりの席で不知火は呟いた。
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