第1萌 日常。やっぱ萌神はカワイイ。

8/17
前へ
/292ページ
次へ
「おい、尾崎……笑美を無視してないか?」 「あ、悪ぃ。今小説の説明考えてた……」 「帰るぞ」 そう言い残し萌神が教室を先に出て行くので俺も追いかける。 現在は放課後。本日の学業は既に終えているのである。 さて、先ほどの続きを考えようか。 神には神の指弾き以外にも特殊な能力と性質が存在する。 まず、コレを説明するにあたって役職の説明が必要だろう。 役職とは、その神が何を司っている神なのかを指す。 萌神なら『萌えを司る神』 削神なら『削りを司る神』 雷神なら『雷を司る神』 ――と、シンプルな物である。 そして神はその役職に応じた姿に少しづつ体が変わっていく。 猫の神なら猫らしく。木の神なら木を思わせる様な見た目に。 実を言うと、神が見た目を変えるのはこれ以外に存在しない。 萌神は能力的に別として……神には肉体が存在しないので歳を取らない。 つまり死んだ時の見た目のままなのである。 先程萌神を外した理由だが、萌神――笑美には姉が二人いる。 そのウチの一人が見た目を変える能力を持っている為である。 そして笑美も『萌神』たる能力に一年程前にやっとで目覚めた。 能力は【歳相応の見た目になる能力】 歳相応を詳しく言ってしまうと、笑美は三十年以上前に死んでいるので四十代中半と言う事になってしまうんだが、萌神と言う役職に変わったのは五、六年前なので高校生の様な見た目でも合っていると言える。
/292ページ

最初のコメントを投稿しよう!

182人が本棚に入れています
本棚に追加