カガリと鯨

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鯨はいつでも何処か別の場所を見つめている。 鯨が言うには空を見ているらしい。 空は限り無く真っ暗で果てしない闇に包まれている。 そこには何もないような気がする。だが、おそらく彼には何かしら彼なりに美しい風景が見えているのだろう。 「カガリ、お前の小説が売れない理由わかるか?」 「面白くないからだろ?」 「違う、お前の小説は見えないんだ。」 「ちゃんと印刷してるぜ?」 「違う、普通の一般的な感性しかない人間には見えないんだよ。難解じゃない。お前の小説は普通を描いてる。普通の感性じゃ真の(普通)は見抜けないのさ」
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