カミサマ

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とある古い村に美沙子という女性が暮らしていた。 まだ学生だった彼女は勉学に励み、毎日笑顔を絶やさずに一生懸命、家の農業を手伝った。 僕が彼女と出会ったのは山の奥深く、人気のない、暗く重たい森林地帯だった。 その時僕はカミサマと呼ばれていた。 洞穴の中に僕は奉れ崇められた存在だった。 僕は人間に興味がなかった。 ただただ大地を汚し、森を焼き払い、他の生命を駆逐する。 そんな野蛮なものに見えた。
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