第三話 夜空のトランペット

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それから二年後に、叔母が交通事故で亡くなりました。 その時僕は大学からの帰りで電車に乗っていたのですが、 あの時と同じように、僕が奏でる『夜空のトランペット』が 聞こえてきたのです。 勿論、トランペットを持った人なんて周りにはいませんでした。 それ以後、良からぬ出来事が起こる直前には、 必ず『夜空のトランペット』が聞こえるようになりました。 今でもそうです。 何故でしょう。 何故、こんなことが起きるのでしょうか。 あの時、川にトランペットを捨てたからでしょうか。 夢を捨てたからでしょうか。 何の役にも立たないこの音色、 何とかして聞こえないようにしてしまいたいのですが、 どうすればいいでしょうか。
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