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外には、リコちゃんのお母さんが立っていた。
いつもと同じ、優しい笑顔。
「リコちゃん。迎えにきたで」
嬉しそうに、リコちゃんはお母さんの手を繋いだ。
リコちゃんがこっちを向いて、手を振った。
「じゃあ、また明日な」
またね、と僕も手を振った。
お母さんと一緒にリコちゃんは出て行った。
少しして、変だなと思った。
リコちゃんのお母さんは傘も持っていなかったのに、
服が少しも濡れてなかった。
外は雨のはずなのに……。
そんなことを考えていると、先生が慌てて部屋に入ってきた。
「リコちゃんは? リコちゃんどこいったん?」
先生は、全く落ち着きがなかった。
お母さんが迎えに来たで、と僕が言うと、先生は驚いた。
「ウソよ」
「ウソちゃうで。今さっき来たもん」
「そんなん……リコちゃんのお母さん、今、病院で
亡くなりはってんで!」
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