朝日と夜と不安定な世界

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「おはよう!」 僕は高らかに手を挙げて、教室に足を踏み入れた。 「朝から元気だな…」 僕の級友は、横目でこちらを見ると人を小馬鹿にしたように呟いた。 おまえの愛想が悪いんだと思うぜ? という言葉は声にするのも馬鹿らしいほど、飲み込んできた。 溜め息すらも飲み込んで、僕は彼の隣に座った。 前の席の女子は、今日も早くから学校に来ていたらしく、一ヶ月後の試験に向けて勉強していた。おそらく彼女が学校に着いたとき、僕は目を覚ました頃であろう。 「いやぁ、僕も勉強しないと不味いかなぁ」 少しオーバーに声を掛けてみると、大丈夫でしょ、と言って小さく笑った。 あまり垢抜けてはいないけれど、彼女はまあ可愛い方だと思う。 ふと教室を見渡してみる。君の姿も鞄もない。 いつものことだ。大学の講義なんてこんなものである。 そして始業ベルが鳴る。 今日もまただるい一日が始まった。
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